2021年 4月号
2021年 4月
特集 計測・計量の仕組みと運用 商品番号:2021年 4月号 No.821 |
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林 和博,村田美久
電気設備工事の施工現場では,さまざまな値や量などを計測・計量しなければならない。計測を例にとると,電圧・電流値・電力・周波数・長さ・温度・湿度・照度・騒音・振動など,多くの測定項目がある。これらの測定項目は,瞬時値である。瞬時値を測定周期(秒,分,時間等)で,観測すれば状態の傾向が分かりやすい。一方,時間当たりの使用量は,計量といい電力使用量・水使用量などが該当する。
電気設備工事分野では,測る作業は,施工の結果を現場で確認するうえで重要であり,施工品質の確認の意味でも結果が設計どおりであることを記録する必要な手段である。近年,従来の照度測定以外に色温度の測定が求められる現状や,データ取集にワイヤレス技術を用い携帯端末との連携で,記録取り,報告書への連携が図れるなどを活用する技術変化がみられる。
本特集は,これら計測機器が扱う単位の解説から,計器の原理などを解説し,施工現場で用いる各種の計測・計量機器を製造しているメーカー製品の特長を解説して,その利用分野の紹介をする。測定器を適切に使うためには,測定器の計測範囲と誤差についても知っておく必要がある。各解説には,専門家からの丁寧な解説を加えた。
一方,近年の省エネルギーへの関心として,運転データの確認にも測定は必要になっている。特に,使用エネルギーとしての電力量計は,スマートメータとして電子式のものに移行されている。電子式はパルス式とは異なり,検針結果を,通信で取得できる機能をもつ。本特集では電力量計の各種機能と通信システムの構築方法などを紹介している。
現場に携わる技術者は,測定対象をどのような計器を用いて測定できるのかに関心をもち,よりよい施工品質を確認するためにも,計測・計量はますます重要になっている。本特集が現場の技術者の参考になれば幸いである。