2020年2月号
2020年2号
特集 ワイヤレスシステム技術とその応用 商品番号:2020年2月号 No.807 |
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近年,IoT分野の進展が各所で広まっている。IoT機器は,機器のもつ情報を処理・制御システムに対し通信の送受を行うので,配線に変わりエネルギーや信号をさまざまな空間伝送方式で送るワイヤレス技術とは切り離せない。調査情報会社のレポートによれば「有線ネットワークに比べ,全体に占める無線通信の割合は10%未満とある。ワイヤレス技術は,敷設コストやシステムの柔軟性という点で潜在的なニーズはあり混信などの信頼性の問題が解決すれば,プライベートネットワークにおいても急速に無線化が進む。」と分析している。
身近なワイヤレス給電技術は,電動歯ブラシ・髭剃り・スマートフォンなどに応用が進んでいる。大容量ワイヤレス給電は,電気自動車や公共交通機関に大容量無線化給電の研究が進んでいる。近接通信を行うICカード規格による,交通系ICカード決済やセキュリティーカードでも用いる通信は生活の中にある。流通系商品管理では,RFID(無線による固体識別技術)の活用は身近にある。ワイヤレス技術の応用として注目されているLPWA(Low Power Wide Area)は,省電力,広いエリア,低コストを実現する。
また,身近な無線LAN(Wi-Fi)環境は,日常生活に必須である。(一社)日本電設工業協会の技術安全委員会にて「無線LANの技術動向とシステム構築に関する調査研究」が行なわれた。結果は『電設技術』(2019年11,12月号)に掲載された。そのため,本特集では無線LANやその他の一部の通信分野は掲載していない。
本特集では,電気設備の分野でも今後,注目されると思われるワイヤレスシステム技術とその応用事例として特集を企画した。掲載記事には,JECA FAIRで展示された製品でもワイヤレス通信を用いたものも見られたので,この特集が施工者にとってもワイヤレス技術の概要を知るうえで有益なものとなれば幸いである。